
幅6メートル超の越前和紙の上を長坂真護さんが転がって描いた作品「Moon in the forest」
ガーナのスラム街に廃棄された電子機器や衣服を使ったアートを手がける世界的な美術家の長坂真護さん(41)が、出身地の福井県で個展を開いている。先進国のごみで埋め尽くされた途上国の人々を救おうと、過酷な環境下で奔走した反動で大病にかかり右腕が不自由に。心身ともどん底の中で迎えた郷土への“凱旋”は、静かな森の中で純粋に絵と向き合う再生の時間となっている。
路上画家として世界を巡っていた2017年。初めて足を踏み入れたアフリカのスラム街には、欧州などから大量の電子ごみや古着が運び込まれていた。住民はわずかな日銭を得るためにごみを焼き、有毒ガスを吸い続け、30代で命を落とす人も。先進国が提唱する「サス...
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