川に仕掛けを設け、鮭を落としかごへ誘導する三面川のウライ漁。今年は深刻な不漁に直面している=3日、村上市
川に仕掛けを設け、鮭を落としかごへ誘導する三面川のウライ漁。今年は深刻な不漁に直面している=3日、村上市

 新潟県内の河川や海での鮭(シロサケ)の捕獲数が本年度は11月中旬時点で6831匹(速報値)と、前年同期比65・5%減だったことが5日、分かった。最終的に過去50年で最低水準の記録的不漁となった2024年度を、途中段階で大きく下回っている。海水温の上昇など近年の環境変化の影響があるとみられ、深刻さを増す減少ぶりに、鮭漁の将来への懸念が強まっている。

 県によると、県内の鮭漁は11月中下旬をピークに1月ごろまで続く。11月20日までに取れた数は川が5732匹(前年同期比55・1%減)、海が1099匹(84・4%減)だった。1965年以降で最多となる約46万8千匹が取れた、2015年の同時期のわずか2・3%にとどまる。県は海水温の高さを踏まえ「ピークがずれ込んでいる可能性もあるが、今後も劇的な回復は考えにくい」とする。

 川で放流された鮭の稚魚は...

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