養殖しているサーモンをいけすからすくい上げる木村正人さん=5月下旬、阿賀野市
養殖しているサーモンをいけすからすくい上げる木村正人さん=5月下旬、阿賀野市

 海や川を見つめてきた長期企画「碧のシグナル」。最終シリーズの連載「あすへの水脈筋(みおすじ)」は、漁業や環境の今後を展望します。(8回続きの6)

 5月下旬、「安田温泉やすらぎ」(阿賀野市)に隣接した養殖場。直径10メートルの大きな水槽で「ゆたからサーモン」が元気に泳いでいた。「今年は育ちもいい」。餌をやりながら、常務取締役の木村正人さん(64)が笑顔を見せる。

 2004年に温泉施設を開業。17年暮れには「新たな特産にしよう」と敷地内の地下水を使い、ニジマスの陸上養殖を始めた。

 ろ過した地下水を再利用しつつ、一部を排水して新しい水を入れ、いけすを清潔に保つ。「地下水は寄生虫もおらず、薬もいらな...

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