常石グループの、常石ソリューションズ東京ベイ株式会社(本社:東京都港区、代表者:代表取締役社長 柴田憲一)が参画する公益財団法人日本財団(以下、日本財団)が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」(以下、MEGURI2040)(注1)において、プロジェクト実証船である国際両備フェリー株式会社が所有する離島航路旅客船「おりんぴあどりーむせと」が、2025年12月5日に、国の行う船舶検査(注2)に合格し一般旅客が乗船する定期船として自動運航機能(自動運転レベル4相当(注3)を活用した商用運航を世界で初めて(注4)開始することになりました。
日本に約400存在する有人離島の生活航路維持が課題となる中、船舶の自動化により船員不足を支え航路を維持することは、離島住民の安定的な人・モノの輸送の確保に繋がるものと期待されています。
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おりんぴあどりーむせと
〈常石ソリューションズ東京ベイの取り組み〉
常石ソリューションズ東京ベイはMEGURI2040において、自動運航船における「判断」・「行動」を担うシステムを提供することで、自動運航船の実現に貢献しております。
本船「おりんぴあどりーむせと」と既存コンテナ船「みかげ」の両船において、自動船位保持装置「DPS」(Dynamic Positioning System)やジョイスティック操船システムで培った操船制御技術を活用し、操船者に代わって離着桟を含む全ての操船フェーズにおいてシームレスな操船制御を提供する操船制御システム「sMCS(seamless Maneuvering Control System)」(注5)、及び避航操船や最適な離着桟計画を策定する行動計画策定システム「iRPS(intelligent Route Planning System)」(注6)の開発・搭載を行っております。
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操船制御システム
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行動計画策定システム
常石ソリューションズ東京ベイは、日本の内航海運における労働力不足解消・労務負担軽減、海難事故防止、離島航路維持等の社会的課題を解決し、安定的な国内物流・輸送インフラを支えるため、日本財団・Designing the Future of Fully Autonomous Ships Plus(以下、DFFAS+)コンソーシアム参画各社・国内外の協力組織とともに、引き続きMEGURI2040に取り組んでまいります。
(注1)無人運航船プロジェクトMEGURI2040「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」
無人運航船の実用化を推進する技術開発を行うことで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、その結果我が国の物流及び経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援する助成制度。
多種多様な国内53社でDFFAS+コンソーシアムを構成し無人運航船の技術開発に取り組んでいます。
参考: https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/meguri2040
https://www.tsuneishi.co.jp/tokyobay/news/p184/
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(注2)国の行う船舶検査
自動運航船として商用運航を行うにあたっては国の定める船舶検査(国海安第40号・国海査第100号の2: https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001899782.pdf
)に合格する必要があります。当該船舶検査は2段階検査となっており、おりんぴあどりーむせとは、2025年7月に第1段階の船舶検査に合格、今回第2段階の検査に合格しました。
(注3)自動運転レベル4相当
完全自動運航が一部可能な技術段階。特定エリアや条件下で人の介入不要の完全自動運転のことを指します(船舶の自動運転定義は現在IMO等で議論中。便宜的に自動車の定義を流用)。
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
(注4)日本財団調べ(2025年12月時点)。一般乗客が乗船する定期旅客航路において、自動運転レベル4相当での“定常的な商用運航”を開始する事例として世界初。
(注5)操船制御システム「seamless Maneuvering Control System(sMCS)」
操船者が策定した航路や行動計画策定システムが策定した航路に従って、船体を自動で操船制御するシステム。プロペラ・舵・スラスタを制御することで船体を航路または目標に追従する。従来操船者が手動で行っていた操船をシステムが自動で制御することで操船者の負担を軽減し、安全性の向上に寄与します。
(注6)行動計画策定システム「intelligent Route Planning System(iRPS)」
自船や周辺を航行する船舶などの行動を予測し、衝突・座礁を防止するための避航計画の策定、及び風などの気象条件に応じた最適な離着桟計画を策定するシステム。船員の監視のもと、自動で衝突・座礁を回避し、従来操船者が手動で行っていた航海当直時の情報収集、状況分析、避航計画の立案などをサポートすることで操船者の負担を軽減し、安全性の向上に寄与します。
■常石ソリューションズ東京ベイ株式会社(旧社名:三井E&S造船株式会社)
常石ソリューションズ東京ベイ株式会社(東京都港区台場二丁目3番2号)は、100年を超える船舶設計・建造により培ってきた船舶の開発・設計・建造技術と40年以上に亘るLNG船建造経験、自律操船・デジタライゼーション技術をコア技術とし、新燃料関連エンジニアリングへの対応、海上輸送に関わる安全性向上・船員の労働環境改善といった社会・お客様の課題・ニーズの解決に貢献する、ファブレスのエンジニアリング会社です。
代表者:代表取締役社長 柴田憲一
事業内容:設計エンジニアリングサービス、舶用機器、新燃料・ガス関連機器エンジニアリング、操船システム、DX・モニタリング、技術支援など
設立:2017年5月22日(創業:1917年)
資本金:1億円
従業員:138人(2025年4月1日時点)
本件に関するお問合わせ先
常石ソリューションズ東京ベイ株式会社 事業開発部
メール:ml_senjikai@tsuneishi.com















