緩和治療での放射線照射の有用性を語る埼玉医大総合医療センターの高橋健夫教授=埼玉県川越市
 緩和治療での放射線照射の有用性を語る埼玉医大総合医療センターの高橋健夫教授=埼玉県川越市
 緩和的放射線治療の対象になり得る例

 がんの治療を受けている間、患者の多くは強い痛みや患部の出血などつらい症状を経験する。厚生労働省の遺族調査では末期がん患者の6割は痛みを感じ、その半数近くは強い痛みだった。そうした症状には、放射線の照射による緩和治療が有効だ。ただ、日本ではその選択肢が医療側、患者側双方に十分に知られておらず、普及が遅れている。関係学会の専門家らは改めて情報提供に力を入れている。

 ▽神経に影響も

 日本放射線腫瘍学会によると「緩和的放射線治療」は、がんの治療や生存延長を目的とする「根治的放射線治療」とは違い、がんが引き起こす痛みなどの症状の改善、生活の質の維持・改善を目的とする放射線照射のことだ。症状の原因となっ...

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