第9弾 新潟市

<4>じゅんさい池(東区)
住宅地に残る自然環境
新潟日報 2022/08/19
新潟市東区の新潟空港に近い物見山地区の森。野鳥がさえずり、アカマツなど生い茂る緑に隠れるように、砂丘地の中に自然に形成された砂丘湖「じゅんさい池」がある。東池と西池から成り、一帯は総面積約7.3ヘクタールのじゅんさい池公園(松園2)として整備されている。住宅地に残る貴重な自然環境だ。
駐車場から階段を下ると、水面をそよ風が心地良く吹き抜ける。遊歩道では、虫取り網を持った子どもたちや、犬の散歩を楽しむ高齢者らの姿があった。

池の名前は、かつて水草のジュンサイが茂っていたことに由来するという。特産物だったが、周辺の宅地化などで池が枯渇し絶滅。1980年から工業用水を引き、現在は笹神村(現阿賀野市)から移植されたものが育っている。
春のしだれ桜や初夏のホタルも人気だが、近年はサクラの衰弱に加え、ホタルの人工飼育も本年度で終わった。周辺住民らは将来の池の姿を考えていこうと、行政や専門家らと話し合いを続けている。
メンバーの一人、東山の下地区コミュニティ協議会の五十嵐初司事務局長(67)は「何げない風景の中に感動が埋もれている」とし、「若い世代からお年寄りまで、さまざまな過ごし方ができる公園であってほしい。楽しみ方を見つけてもらえたらうれしい」と願う。
〈メモ〉じゅんさい池公園へは、新潟バイパス(国道7号)竹尾インターチェンジから車で約15分。新潟交通のバス停「有楽一丁目」で下車徒歩約4分。
