第9弾 新潟市

水の都 夏の姿

<5>六郷の池(秋葉区)
釣り人が愛す 憩いの場

新潟日報 2022/08/20

 新潟市秋葉区の阿賀野川沿いに、市内外のヘラブナ釣り愛好者に人気の「六郷の池」がある。日よけのパラソルを広げ、静かにさお先に集中して、大物を狙う人たちの姿が見られた。

 早朝から常連客が訪れ、県外から来る人も。土、日曜には釣り大会が開かれる日もあり、多くの人でにぎわう。

ヘラブナ釣りスポットとして親しまれる六郷の池=新潟市秋葉区
ヘラブナ釣りスポットとして親しまれる六郷の池=新潟市秋葉区

 15年近く通う田上町の石本石夫さん(72)は「ここは40センチほどの型のいい物が県内で一番多く釣れる。餌を工夫し、いい当たりが出ると本当に面白い」と顔をほころばせる。

 阿賀野川の旧河道の一部が残ってできたとされる池は南北に細長い形で、広さは約1.5ヘクタール。水深は最も深い所で4メートルほどという。

 地元の人たちが所有し、組合を作って草を刈るなど管理している。組合代表の佐藤譲さん(68)によると、1970年ごろからヘラブナ釣り愛好者グループによる魚の放流を認めた。釣り場として親しまれるようになり、現在は組合などが2年に1回放流する。

 かつては農業用水が流れ、水は今よりもきれいだったという。ほとりの一部ではヨシが生え、周囲にはのどかな田園や山の風景が広がる。水面を渡る風は心地よく感じられた。

 佐藤さんは「身近に水辺があると落ち着く。池の環境は昔とは変わっているが、これからも大切にしていきたい」と話した。

〈メモ〉六郷の池での釣りは有料。磐越道新津インターチェンジから車で約10分。池の近くには公園もある。