第9弾 新潟市

水の都 夏の姿

<8>北山池(江南区)
希少な花 ひっそり自生

新潟日報 2022/08/25

 新潟市江南区北山の住宅地にある北山池には、全国的に珍しい植物で県の絶滅危惧種「アサザ」が自生している。年々数は減少し、確認できる花は、池のごく一部に数個ほど。貴重な黄色い花を探しに、水辺を散歩してみてはいかが。

 北山池は亀田砂丘のくぼ地にできた砂丘湖。かつては大小二つの池があり、兄池(あんにゃいけ)を埋め立てて公園や住宅地にし、現在の池は弟池(おじいけ)を整備した。周囲約600メートルをぐるっと1周でき、ヘラブナ釣りスポットとしても人気だ。

北山池の水面に浮かぶアサザ=新潟市江南区
北山池の水面に浮かぶアサザ=新潟市江南区

 アサザの花の大きさは4センチほど。駐車場近くの浅瀬に咲いていた。ハート形の葉の間から顔を出す姿がかわいらしい。晴れた空の下、水面(みなも)に映る雲が美しく、ピンク色のハスの花びらが舟のように漂っていた。

 県立植物園によると、アサザは県内では他に十二潟(北区)など3カ所でしか自生が確認できていない。

 北山池の自然を楽しむ会の清野誼(よしみ)会長(79)と北山自治会の渡辺雅巳会長(69)は「アサザは地元の宝。残り続けてほしいし、多くの人に知ってもらいたい」と話した。

 区建設課によると花は9月上旬ごろまで見られる。

(おわり)

〈メモ〉北山池公園へは新潟バイパス(国道7号)竹尾インターチェンジから車で約15分。新潟交通のバス停「北山」で下車徒歩約10分。