第9弾 新潟市

水の都 夏の姿

<7>天寿園(中央区)
幻想的な雰囲気美しく

新潟日報 2022/08/24

 夏の日没後、空が真っ暗になる前の、薄暗さが残る時間帯。中国庭園と日本庭園を併せ持つ新潟市中央区の「天寿園」では、ほの白い光でライトアップされた庭園が池の水鏡に映り込み、日中とは異なる雰囲気を醸し出す。

 通常の閉園時間は午後5時だが、7、8月は9時まで延長される。ただ、夜の入園者は数人にとどまる日もあり、知る人ぞ知るスポットにもなっている。

優しい光に照らされる天寿園の中国庭園。日中とは異なる表情を楽しめる=新潟市中央区
優しい光に照らされる天寿園の中国庭園。日中とは異なる表情を楽しめる=新潟市中央区

 天寿園は1988年、日中友好の証しとして北京市の全面協力により民間企業が整備した。中国庭園の資材は中国から運んだものを使い、華やかな宮廷庭園の雰囲気が味わえる。日本庭園には著名な建築家の作品も置かれる。一度閉園した後、95年に市が購入。市営施設で、庭園部分は入場無料だ。

 庭園の池の水は、隣接する清五郎潟から引く。豪快に流れ落ちる滝。餌を求めて近づいてくるコイ。静かに流れる小川…。園内ではさまざまな水辺の表情も演出する。

 館長の小川美加さん(59)は「夜の園内の散策は、若い人も子ども連れも、それぞれの立場で楽しめる。水鏡の幻想的な雰囲気を多くの人に体験してほしい」と話した。

〈メモ〉天寿園は入園無料(ホールや大広間などは有料)。新潟市中央区清五郎633-8。問い合わせは天寿園、025-286-1717。