依存症治療の入院中に手にした冊子や思いをつづったノートを眺める野村エリさん
依存症治療の入院中に手にした冊子や思いをつづったノートを眺める野村エリさん

【2021/01/12】

 酒臭さを隠すため、大学ではいつもマスクを着けて学んだ。ペットボトルにウオッカの水割りを入れて持ち込んだこともあった。「ひどい姿を見せたくなかったけれど、ばれていたと思う」。大学は休みがちになり、友達とは疎遠になっていった。「きっと関わりたくないと思われたんでしょうね」

 野村エリさん=仮名=が初めて酒を飲んだのは、県内の大学に入学した約10年前。最初はアルコール度数の低い酎ハイだった。おいしく、飲むと気分が上がった。女友達をアパートに呼ぶなど楽しく飲んでいたが、次第に飲み会後に1人で「2次会」をするようになった。

 小学生の時から真面目で勉強熱心だった。親の期待を一身に受...

残り951文字(全文:1251文字)