過度な飲酒に悩む人でも治療を受ける人は少ない
過度な飲酒に悩む人でも治療を受ける人は少ない

【2021/01/19】

 棚にあった夫のウイスキーを口に含むと楽になった。新潟市に住む50代の小沢理香さん=仮名=は、家事や子育てのストレスから酒が手放せなくなった経験がある。「家族と暮らしていても、家の中に味方がいなかった」。専業主婦として1歳半と生後間もない子どもの世話と家事に追われていた、30年ほど前のことだ。

 夫はつまみとおかずを合わせて6品以上用意できていないと怒り、休日は趣味のバイクで1人出掛けた。同居していた実母も仕事で余裕がなく、頼ることができなかった。ストレスが募る一方、気分転換もできない。2人が出勤するのを待ち瓶のふたをひねった。

 最初は夫にばれないよう、少しずつ飲んだ。だ...

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