
「ライブコマース」収録で県産米をPRする花角英世知事(中央)=シンガポール
新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けた日本の水際対策が昨年10月に大幅緩和され、「ウィズコロナ時代」の国際交流が始まった。新潟県の花角英世知事は1月10日から15日まで、タイ、ベトナム、シンガポールを歴訪。新潟県内企業団も加わり、成長著しい東南アジア市場で「Niigata」の印象を強めようと売り込んだ。訪問団は「インバウンド(訪日客)拡大」「人的・経済交流の振興」「県産農産品PR」を狙ったが、新潟県の知名度の低さなど課題も見えた。訪問団に同行し、感染禍での海外戦略の展望を探った。(3回続きの3)
「新潟には雪が3メートル積もる地域がある。その雪がもたらす水の恵みで日本一のコメが作られる」。シンガポール訪問中の新潟県の花角英世知事は1月14日、現地の富裕層が集まった旅行商品説明会で新潟県の魅力を語り、南国とは違う異世界の「雪国新潟」を前面に出した。
花角知事はシンガポールで目まぐるしく動いた。同国は東南アジア諸国連合(ASEAN)の中心で、1人当たりの名目国内総生産(GDP)が日本を上回り世界トップ10に入る。インバウンド(訪日客)と県産農産品輸出の拡大を狙い、花角知事は各所でトップセールスした。
▽狙い目は富裕層
商社時代に現地で勤務経験がある新潟シンガポール協会の渡部智明会長(63)は「ニッチな国だが、...
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