焦げ目のあるソーセージや緑色のピーマンを上品に盛り付けたホテルイタリア軒「マルコ・ポーロ」のナポリタン(写真映像部・金子悟撮影)

 子どもの頃、自宅でケチャップの香りがすると「あ、今日の夕飯はナポリタンだ」とわくわくした。弁当に入っていることも多く、冷めてもおいしいので大好きだった。

 ケチャップでオレンジ色になったパスタに、鮮やかな緑色のピーマンが存在感を放ち、タマネギ、マッシュルーム、ソーセージが彩りを添える。

 大人になり、ナポリタンを作るようになった。ウスターソースを隠し味に入れるのが、母から教わったレシピ。記者は軟らかい麺が好きで、長めにゆでてから炒めている。

 愛好家でつくる日本ナポリタン学会(横浜市)によると、ナポリタンは「トマトケチャップで味付けし、炒めた日本独自のスパゲティ料理」と定義する。具材のタマネギは必...

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