将棋の渡辺明棋王=名人との二冠=(38)に藤井聡太五冠=竜王・王位・叡王・王将・棋聖=(20)が挑む第48期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社など主催)5番勝負の第3局は5日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで指され、174手で後手の渡辺棋王が勝ち、シリーズ初勝利を挙げて対戦成績を1勝2敗とした。
渡辺棋王は11連覇を目指す。藤井五冠は初黒星となったが、第4局で勝てば棋王初獲得とともに羽生善治九段(52)に次いで史上2人目、最年少で6タイトルを同時に保持する。第4局は19日、栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われる。
対局は両者、得意の角換わりの戦型に。互いの玉が接近する珍しい戦いとなった。終盤は局面が二転三転する熱戦が続いたが、最後に渡辺棋王が抜け出した。
持ち時間各4時間のうち、残りは共に1分。
◎渡辺明棋王の話 終盤は差を詰められていたと感じていたし、負けていると思った場面もあった。一局を通してだいぶ苦しかったが、中盤でバランスを取れたのが良かった。一つ返すことができたので、次からも目の前の一局という形でやっていきたい。
◎藤井聡太五冠の話 終盤はずっと苦しいと思っていた。最後に一瞬、チャンスがあったが、逃して少し残念だった。ただ、全体的には負けている場面が続いていたので仕方ない。2勝1敗となったが、切り替えて、次はいい状態で臨めればと思う。