強豪チームに移籍し、目標のワールドシリーズ(WS)制覇が夢ではなくなった。新天地でも桁外れの活躍を見せて、元気を与えてもらいたい。
米大リーグ、大谷翔平選手がドジャースに移籍した。ロサンゼルスのドジャースタジアムで入団会見に臨み「明確な勝利を目指すビジョンを持つドジャースの一員になれることを心よりうれしく思う」と述べた。
ドジャースはWS制覇7度を誇る。ナショナル・リーグ西地区優勝は、この11年で10度だ。
大谷選手は「勝つことが一番大事」「優勝を目指し欠かせない存在になりたい」と語った。
エンゼルスに在籍した6季は全て負け越しで、夏場にはプレーオフ争いから脱落していた。「ひりひりするような9月を過ごしたい」と本音を吐露したこともある。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が優勝を決めた時のように、喜びを爆発させた姿をもう一度見たいものだ。
今季ドジャースは906得点、249本塁打で、ともにメジャー2位の成績を収めた。1、2番打者が最優秀選手(MVP)経験者で、来季は大谷選手が加わりさらに強力打線となる。
個人成績にも当然、期待がかかる。秋に右肘を手術したことで打者に専念する来季は、2年連続の本塁打王や三冠王も視野に入る。
スポーツ史上最高額となる10年で総額7億ドル(約1015億円)の大型契約は、国内外のファンを驚かせた。
投打「二刀流」で本塁打王やメジャー初の2年連続「2桁勝利、2桁本塁打」を達成し、MVPは2度獲得した。当然の額だろう。
米メディアによると、契約額の97%が2034~43年の後払いとなり、球団の年俸総額を抑えた分を補強資金に充てる。
大谷選手が交渉中に「自分の給料全額を後払いにしたら、チームの補強に役立つか」と言い出したという。個人よりもチームの勝利を重視し、優勝を目指す決意がうかがえる。
右肘手術は1度目より2度目の方がリスクがあるとされ気がかりだが、執刀医は「完治の可能性は1度目と同じ」としている。大谷選手も会見で「来季開幕には十分間に合う」と話した。
開幕戦はダルビッシュ有投手がいるパドレスとの対戦だ。来季は山本由伸、今永昇太両投手らも大リーグに挑む。日本のファンにとって楽しみは尽きない。
