
衆院新4区の長岡市、小千谷市へ延びるJR上越線(右)と、新5区の中核・上越市とつながるほくほく線の分岐点。市民にとって、心理的な距離はどちらが近いだろうか=南魚沼市六日町
衆議院小選挙区の定数「10増10減」を反映し、1票の格差を解消する改正公選法が成立して1年がたった。新潟県の定数は6から5に減り、選挙区の区割りが大幅に見直された。選挙区の線引きは、国の審議会が市町村の区画に加え、地域のまとまりや地勢、交通事情などを「総合的に」考慮して決めたものだ。新たな区割りは住民に受け入れられているのか。記者が歩き、有権者や政治関係者の思いに耳を傾けた。
「こっちは旧3区の仲間なんだよ。なんで関係ない人の選挙をやらないとならないの」。1993年の衆院選まで続いた中選挙区制一つの選挙区で定数(当選する人数)が3~5の制度。1選挙区の定数が1であれば小選挙区、複数であれば大選挙区と分けるため、中選挙区は大選挙区の一種とされる。大選挙区は基本的に県などの単位を一つの選挙区とするのに対し、中選挙区は一つの県などの中に複数の選挙区が設定される。戦前に採用されたほか、戦後も1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されるまで続けられた。の頃、中越地域を中心に構成する旧新潟3区中選挙区時代は、長岡市、三条市、柏崎市、南蒲原郡、三島郡、古志郡、北魚沼郡、南魚沼郡、刈羽郡(いずれも当時)。の選挙に熱心に関わった南魚沼市内の流通関係の経営者(68)は取材に、こうぶちまけた。
南魚沼市と魚沼市、湯沢町から成る北魚沼、南魚沼のエリアは、衆院小選挙区の新5区上越市、糸魚川市、妙高市、南魚沼市、魚沼市、十日町市、津南町、湯沢町。になった。一緒になったのは、上越地域が中心の旧6区上越市、糸魚川市、妙高市、十日町市、津南町。で、中選挙区時代から同じ区だった長岡市や小千谷市とは分かれた。

区割り案が...
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