
当確が伝わった後、まず日本酒供与問題について陳謝した梅谷守=10月27日、上越市
新潟県内小選挙区の定数が6から5に減り、再編された新たな区割りでの初めての衆議院選挙(衆院選)は、立憲民主党が全議席を奪取し、自民党の比例代表復活も1議席しか許さない結果に終わった。異例の超短期決戦では、有権者の支持を得るべく、各候補が激しい陣取り合戦を繰り広げた。各選挙区の12日間の選挙戦を振り返る。(5回続きの5、敬称略)
衆院解散から間もないある日。自民党の宣伝カーが新潟5区上越市、十日町市、糸魚川市、妙高市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、津南町。の湯沢町から南魚沼市、魚沼市へと走った。自民の高鳥修一(64)をアピールするためだ。3市町の有権者数は約8万人。30キロ超の道中、車に手を振ったのは2人だけだったという。
3市町は中選挙区時代、元首相・田中角栄の後援会「越山会」と元環境庁長官・桜井新の「一新会」が激しく争い、自民支持者の多い地域だ。新区割りで上越地域と同じ5区となったが、高鳥の名前はなじみが薄い。とはいえ、この反応の悪さはどうだろう。車に乗った党員は「裏金問題の影響だ」と肌身で感じた。
同じ頃、立憲民主党の梅谷守(50)は魚沼地域を回るためJR小出駅にいた。偶然居合わせた中年の女性たちは梅谷と握手し「やっと会えたね」と笑顔だった。地域行事の主催者に日本酒を供与した問題が2月に発覚して以降、表から姿を消し活動は事実上停止。魚沼地域の開拓も止まった。だが反応は悪くなかった。

魚沼地域での二つの光景。...
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