新たに3区となった新潟市秋葉区での勝利を重視した黒岩宇洋。選挙戦最終日も有権者に支持を訴えて回った=10月26日
新たに3区となった新潟市秋葉区での勝利を重視した黒岩宇洋。選挙戦最終日も有権者に支持を訴えて回った=10月26日

 新潟県内小選挙区の定数が6から5に減り、再編された新たな区割りでの初めての衆議院選挙(衆院選)は、立憲民主党が全議席を奪取し、自民党の比例代表復活も1議席しか許さない結果に終わった。異例の超短期決戦では、有権者の支持を得るべく、各候補が激しい陣取り合戦を繰り広げた。各選挙区の12日間の選挙戦を振り返る。(5回続きの3、敬称略)

 「相手候補は唯一残った派閥の所属議員だ。そして誰よりも早く資金パーティーをやっている」

 衆院選公示後、最初の土曜日だった10月19日。新たに新潟3区新潟市秋葉区、新潟市北区、新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町、村上市、関川村、粟島浦村、五泉市、阿賀町となった新潟市秋葉区のショッピングセンター脇に立った立憲民主党の黒岩宇洋(58)は宿敵・自民党の斎藤洋明(47)を口角泡を飛ばして批判した。

 斎藤は元首相の麻生太郎が率いる派閥に所属。自民派閥の裏金事件が問題となった後に、政治資金パーティーも開いた。黒岩はそこに矛先を向け、自民の「政治とカネ」の争点化を図った。秋葉は革新系が強いとされ、人口も多く無党派層の支持も狙えた。

新選挙に加わった新潟市秋葉区で街頭演説に臨む立憲民主党の黒岩宇洋氏(右から2人目)=2024年10月26日 新潟市秋葉区小須戸

 黒岩は前回選で斎藤に完敗。比例復活も阻まれた。政治生命を懸けた「最後の戦い」と位置付け、地元での活動量を増やしていた。「この1年で3区内を10周回った。地球1周分だ」と自信を見せていた。

 ただ、秋葉の野党関係者は...

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