HPVワクチンを接種する女性。定期接種の対象外になったが、キャッチアップ接種の制度を活用した=新潟市中央区のロイヤルハートクリニック
HPVワクチンを接種する女性。定期接種の対象外になったが、キャッチアップ接種の制度を活用した=新潟市中央区のロイヤルハートクリニック

 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチン接種が低調だ。2022年4月に約9年ぶりに「積極的勧奨」が再開されたが、中止していた9年間で公費での無料接種の対象外となった人に対する「キャッチアップ接種」が進んでいない。副反応への不安が要因とみられる。医師らは「子宮頸がんで亡くなる人を減らせる」として接種を呼びかけるが、効用への理解は広がりを欠く。

 厚生労働省の2019年のまとめでは、国内の子宮頸がん(上皮内がん含まず)の罹患(りかん)者は年間約1万1千人で、約2900人が死亡している。新潟県の19年のまとめによると県内の罹患者は年間160人で、55人が死亡...

残り1248文字(全文:1548文字)