伊藤信太郎環境相は2月8日、2023年度に過去最多の人的被害をもたらしたクマについて、24年4月にも、捕獲を国が支援する「指定管理鳥獣生息数増加や分布域の拡大で、深刻な被害を及ぼすなどの理由により、集中的かつ広域的に管理を図る必要がある対象として、環境相が定める鳥獣。指定され、各都道府県が事業計画を作れば、捕獲やその手法開発、生息状況調査などに対し国が交付金で支援する。現在はニホンジカとイノシシが対象で、夜間の銃による猟が禁止されないなどの特例も適用されている。」に追加すると表明した。新潟県は24年度、クマの生息数をより高い精度で把握する方針だ。県の推定では、県内の生息数は800〜3000頭と幅があり、中央値を取って約1500頭としている。より精度を上げるため、県内に設置されている定点カメラの台数を増やしたり、猟友会などの協力を得て捕獲した場所や時間のデータを集約したりして、生息数や生息分布の把握に努める。
新潟県内では23年度、2月2日までに1436件のクマの目撃や痕跡情報があり、9件10人の人身被害が確認されている。このうち5件6人の被害は民家の敷地内など市街地で起きた。
新潟県は23年度最初の人身被害が確認された23年7月に注意報を発令。10月には3年ぶりに県独自の警戒レベルとして最高の特別警報に引き上げ、暖冬傾向を踏まえ24年1月末まで警報を延長していた。発令期間は過去最長となった。
<指定管理鳥獣>生息数増加や分布域の拡大で、深刻な被害を及ぼすなどの理由により、集中的かつ広域的に管理を図る必要がある対象として、環境相が定める鳥獣。指定され、各都道府県が事業計画を作れば、捕獲やその手法開発、生息状況調査などに対し国が交付金で支援する。現在はニホンジカとイノシシが対象で、夜間の銃による猟が禁止されないなどの特例も適用されている。