松橋力蔵監督は初めてトップチームの監督となった新潟で、3年目の指揮を執る。1年目でJ2優勝とJ1昇格を果たし、2年目はJ1復帰初年で18チーム中10位という結果を残した。これまでの歩みについて「自分は自分のできることをしっかりやっていくだけ。振り返ることなんてないですよ」と話す。
試合に対する一喜一憂が少なく、意識はすぐ次に向かう。シーズン途中に主力が移籍しても「今いる選手で戦う」と動じなかった。今季の補強についても「足りない」部分を埋めるものではなく、「われわれのサッカーに新しい風を吹き込んでくれる」と表現する。
そんな指揮官が今季、「てっぺん」という目標を掲げた理由には自身の反省がある。6年ぶりのJ1で手探りな部分が多かった昨季は、開幕前に順位や勝ち点などの目標を口にしなかった。

終盤戦でようやく1桁順位という目標がうっすら見えてきたが、結果は10位。「もっと上を意識させることができたのではないか」。明確な目標を示す必要性を感じた。
優勝という大きな目標について「間違ってもJ1で1年やってみて、『これは行ける』と思ったわけではない」と強調する。
「たとえ今年その位置に行けなくても、目標にしていれば僕はいずれかなうと思う。でかい口をたたいているが、そこに向かっていく姿勢はしっかり皆さんにお見せしたい」。指揮官は常に先を見ている。
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