もうすぐ、ひな祭り。春の陽気にはまだ少し早いが、8段飾りのおひなさまやお内裏さま、かわいらしいつるし雛(びな)などが気分を盛り上げてくれる。新潟県の魚沼地域と上越地域を結ぶほくほく線は開業してこの春で27年。「ひなまつり」をキーワードに、乗り入れをしているJR線も含めた沿線を歩き、地域自慢のひな飾りやスイーツなどを探してみた。

◆350体以上のひな飾りがお出迎え、寄贈で年々にぎやかに・「坂口記念館」

 上越市頸城区の坂口記念館のひな飾りは350体以上という数の多さが自慢だ。住民からの寄贈や市内の作家3人が手がけた作品が並ぶ。5センチほどの小さなものや、豪華な8段飾り、ウサギやカメなどをかたどったかわいらしいつるし雛(びな)など展示はバラエティーに富んでいる。

 「発酵学の父」として知られる上越市出身の故・坂口謹一郎博士は「楽縫庵(らくほうあん)」と名付けた別荘を建てて地元の杜氏(とうじ)や文化人と...

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