もうすぐ、ひな祭り。春の陽気にはまだ少し早いが、8段飾りのおひなさまやお内裏さま、かわいらしいつるし雛(びな)などが気分を盛り上げてくれる。新潟県の魚沼地域と上越地域を結ぶほくほく線は開業してこの春で27年。「ひなまつり」をキーワードに、乗り入れをしているJR線も含めた沿線を歩き、地域自慢のひな飾りやスイーツなどを探してみた。

◆店先彩る「ひな雪見かざり」、商人が紡いだ歴史感じて・「牧之通り」

 黒い雁木(がんぎ)と白い壁が目を引く南魚沼市塩沢の牧之通り。江戸時代後期の文人、鈴木牧之が暮らした町並みをイメージした通りを中心に、店先にひな人形を飾る「ひな雪見かざり」が開かれている。街歩きを楽しみながら、商人らが積み重ねてきた歴史を感じたい。

 「うちが代々受け継いできたおひなさまです」。牧之通りにある旧家「中島屋」の中島真知子さん(75)は、江戸時代後期の...

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