
ロピア港北東急SC店の各売り場=横浜市
イトーヨーカ堂(東京)の経営の立て直しに伴い、イトーヨーカドー丸大新潟店(新潟市中央区)が2025年3月ごろ、OICグループ(川崎市)に事業承継される。食品スーパーの後継として予定されるのが、OICが運営する「食生活♡♡ロピア」だ。関東地盤のロピアは「コスパ最強」をうたい関西や東北、九州などへの急拡大を図り、新潟県へは初進出となる。ロピアを訪れると、売り場の部門長(チーフ)が商品開発まで行う独自の店舗運営が成長の原動力となっていた。(報道部・阿部秀哉)
OICは1971年、髙木秀雄会長が精肉店として創業した。ロピアを国内外90店展開する他、食品会社なども傘下に収める。2024年2月期の売上高は4126億円。31年度には2兆円の目標を掲げており、出店攻勢を強めている。
「店舗には複数の経営者がいる」。OICの広報担当は青果、鮮魚、総菜、精肉、食品の各チーフと店長をこう表現する。それぞれを商店のように位置付け、戦略的に現場に権限を与えることで、チーフは仕入れや販売価格の設定、プライベートブランド(PB)商品の開発、採算の管理も担う。
仙台市の店舗で開発した弁当「鮭はらこ飯」や、関西で始めたすしのばら売りなど好事例は他の店舗に横展開し、新たな取り組みや改善策が次々に生まれる仕組みをつくっている。
「食のテーマパーク」を打ち出し、ターゲットを子どもが2人いる30〜40代の夫婦と据え、ファミリー層に楽しんでもらう工夫を施す。

旗艦店と位置付ける横浜市のロピア港北東急SC店は、...
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