新潟県佐渡市小田(こだ)の夷神社で、祭礼が開かれ、地域に伝わる棒術「棒振り」が約20年ぶりに奉納された。伝統装束に身を包んだ2人の男性が、刀と棒を重ね合わせたり器用に振り回したりして、見物客を魅了した。

 小田は20軒ほどの民家がある海岸沿いの集落。面をかぶった人が竹製の楽器を擦りながら獅子と踊る「ササラ」や、鈴と刀を持った4人が対角線で入れ替わりながら舞う「四つ切り舞」など、珍しい神事が残っている。かつては、アクロバティックな動きが特徴の棒振りで神事を締めくくっていたとされるが、高齢化で技術を伝承できず、長らく演舞が見送られてきた。

約20年ぶりに演舞が披露された小田集落に伝わる「棒振り」=佐渡市小田

 こうした中、集落の稲場誠さん(42)と羽茂大崎在住の竹内正...

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