
横田めぐみさんの写真を置いてインタビューに答える母の早紀江さん
日本人拉致問題北朝鮮が日本に暮らす人々を無理やり連れ去る「拉致」を行い、いまだに多くの被害者が帰国を果たせていない問題。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮の当時の指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人を拉致した事実を初めて認める。日本政府が認定する拉致被害者は17人。このうち5人が02年10月に帰国した。政府認定被害者のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」が400人以上(民間団体調査)いる。を巡る日朝ストックホルム合意日朝両政府は2014年5月にスウェーデン・ストックホルムで行った外務省局長級協議で、拉致被害者を含む日本人に関する再調査で合意した。北朝鮮は特別調査委員会を設置し、これを受け日本は独自制裁を一部解除した。ページ下部に詳しい用語解説あり。の発表から5月29日で10年となった。北朝鮮は被害者の再調査を約束したが、進展のないまま頓挫し、再会を願う家族の期待は裏切られた。新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の母早紀江さん(88)は、長期間動きのない状況に憤り「政治が命の問題にどう向き合うのか」と問いかける。
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