
日朝ストックホルム合意北朝鮮による拉致被害者の再調査と、日本による独自制裁の一部解除を柱とした政府間合意。2014年5月29日、スウェーデン・ストックホルムでの日朝外務省局長級協議を受け発表した。北朝鮮は拉致被害者のほか、「行方不明者」「残留日本人・日本人配偶者」「日本人遺骨問題」も調査するとした。14年7月に北朝鮮が特別調査委員会を設置したことを受け、日本は制裁を一部解除。調査期間は1年程度とされたが、先送りされた。その後、北朝鮮の核実験やミサイル発射を受け、日本は制裁を復活。反発した北朝鮮は16年2月に調査委員会解体を発表し、日朝交渉は停滞局面に入った。の公表から5月29日で10年となったが、拉致1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。問題に目に見える進展はなく、被害者家族は救出を求め続ける。拉致の可能性を排除できない特定失踪者北朝鮮による拉致の可能性が排除できない行方不明者。2002年に、かつて北朝鮮による拉致被害者として名前が浮上していなかった曽我ひとみさんが帰国したことなどを受け、03年に民間団体「特定失踪者問題調査会」が特定失踪者を独自にリストアップしている。政府認定の拉致被害者は、02年に帰国した5人を含めて17人。大沢孝司さん=失踪当時(27)=の兄昭一さん(88)=新潟市西蒲区=や、新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の弟で家族会代表の拓也さん(55)は28日も衆院拉致問題特別委員会に出席し「時間がない」「なぜ取り戻せないのか」と訴えた。
・「ただ会いたい」…特定失踪者の大沢孝司さん、新潟佐渡市で消息を絶って50年
・拉致問題の記事一覧
大沢昭一さんが国会に参考人として出席するのは2013年以来11年ぶり。特別委の直前には「(...