
子育て世代に先輩らからのメッセージを送るにいがた、びよりの新連載「こそだてエール」。子育ての先輩や専門家、支援者らを紹介します。
にっこりとほほ笑む子どもたちや、とぼけた表情のだるまなど、思わず顔がほころぶ人形たちを作っているのは、「ねんど母さん」こと髙田香代さん(53)=新潟市中央区=です。色とりどりの粘土を駆使した作品が人気を集めています。
制作を始めたのは13年前。まだ幼かった二人の娘さんの子育て真っ最中のころでした。当初は「子育ての日々を漫画で表現したい」と、絵の描き方を学ぶカルチャースクールを探していました。しかし、心引かれたのは「粘土人形教室」。幼いころ、人形遊びが好きで、大人になってからもこけしを集めるなど、大の人形好きだったからです。
すぐに教室に通い始め、自分好みの人形が作れる面白さにのめり込みました。5年半ほど教室で学んだ後は、独学で腕を磨き続けました。今では自宅のキッチンをアトリエに、1日に10体を作る日もあります。

使うのはオーブン粘土と呼ばれる粘土です。指先で丹念に練り、100色以上を使い分け、子どもたちや妖怪をテーマに制作。家庭用オーブンで焼いて完成させます。「見た人の顔が緩むような作品」を作るのがこだわりです。
「ねんど母さん」の名前は、ブログで使っていたハンドルネーム。大好きな粘土と、子育てを頑張るお母さん。自分を表すキーワードを組み合わせました。「子育てだけだったら、きっと疲れてしまっていた。粘土という夢中になれるものがあったから、バランスを取りながら生活できた」と振り返ります。
節句人形や結婚式の記念品などを受注制作するほか、阿賀町の土産品店などにも作品を納めています。現在は12月に新潟市西蒲区で開く個展に向けて制作中です。今後も粘土人形を作り続け、「もっとたくさんの人に『ねんど母さんのこと知ってる!』と言ってもらえるようになること」が夢です。


髙田さんは「漫画を描くという目標が、粘土人形作りに変わり、今では多くの人に作品を見てもらえるようになった。人生はどう転ぶか分からない」とほほえみ、「子育て中のママもいろいろなことに挑戦してみてほしい」とエールを送りました。

◇「にいがた、びより」の新連載「こそだてエール」では、県内の子育ての先輩や育児真っ最中のパパ、ママを紹介していきます。仕事も子育てもがんばる皆さんに、またこれからパパ、ママになる皆さんに温かいエールを届けます。
(1)「ねんど母さん」髙田香代さん(新潟市中央区)
(2)漫画エッセイスト ちゃい文々さん(新潟市)
(3)助産師 佐久間沙都美さん(新潟市北区)
(4)ニューボーンフォトグラファー 八子園子さん(新潟市西区)
(5)フリーアナウンサー 冨髙由喜さん(新潟市中央区)
(6)女性向けマッサージサロン経営 太田千恵子さん(新潟市西区)
(7)公認会計士・税理士 内山智絵さん(新潟市中央区)