
上越日豪協会の活動などについて振り返る在りし日の石塚洋子さん=2022年8月
太平洋戦争中、新潟県上越市の関川河口付近にあった旧直江津捕虜収容所を巡る悲劇を語り継ぐ「上越日豪協会」の前代表、石塚洋子さんが7月4日、病気のため94歳で亡くなった。オーストラリアの元捕虜と、戦後に刑死した日本人警備員8人の遺族ら双方に寄り添い、日豪の交流促進に尽力した石塚さんを関係者は悼み、その遺志を継ごうと思いを強くしている。
石塚さんは1978年、英会話サークルで元オーストラリア兵捕虜が直江津高校(当時)に送った手紙を読む機会があり、元捕虜と文通を始めた。捕虜60人が飢えと寒さ、過酷な労働で命を落とし、その責任を負って警備員8人が戦後に刑死したと知った。
戦争さえなければ起こらなかった...
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