江戸時代の絵巻などで佐渡金銀山の歴史的価値を解説する企画展=佐渡市八幡
江戸時代の絵巻などで佐渡金銀山の歴史的価値を解説する企画展=佐渡市八幡

 世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録が決まった「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」を紹介する企画展が、新潟県佐渡市八幡の佐渡博物館で開かれている。江戸時代の絵図や古文書といった計64点の資料を通し、佐渡金銀山の発展を支えた当時の人々の鉱山技術や暮らしぶりを伝えている。

 採鉱から小判製造までの工程を説明している「金銀山絵巻」は、4点を展示。暗い坑道での作業や、金を精製する様子が生き生きと描かれている。

 佐渡金銀山を代表する山師、味方(みかた)家の文書では、鶴子銀山や相川金銀山の鉱脈や坑道の箇所を克明に記した見取り図を紹介。鉱山の安全祈願で行った儀式や、金銀銅を効率良く採れる鉱石の見本も図入りで説明している。

 相川地区の鉱山町...

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