「佐渡島の金山」の世界遺産登録を受けて今後の課題を検討した県の学術委員会=9月10日、東京都千代田区
「佐渡島の金山」の世界遺産登録を受けて今後の課題を検討した県の学術委員会=9月10日、東京都千代田区

 「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を受けて、新潟県は9月10日、今後の保存活用体制などを検討する学術委員会を東京都内で開いた。観光振興を進めていく一方で、懸念されるオーバーツーリズム(観光公害)の問題などさまざまな課題を想定し、世界遺産の保全管理を徹底していく方向で一致した。

 学術委員会は2010年9月に設置され、専門家らが世界遺産登録に向けて推薦書案の検討を重ねてきた。登録を受けて委員会は今回で終了し、今後は新しい体制で保全管理のための委員会が設置される予定。

 この日はオンラインも含めて委員や県、佐渡市職員ら15人が参加。冒頭、世界遺産委員会の審議結果が報告され、以...

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