柏崎市の蓮池薫さん(67)、祐木子さん(68)夫妻や佐渡市の曽我ひとみさん(65)ら北朝鮮による拉致1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。被害者5人が帰国してから10月15日で22年となる。5人以外の被害者は誰一人救出されないまま、被害者や再会を待ち望む家族の高齢化だけが進む。15日公示、27日投開票の衆院選では、与野党に拉致問題の解決への覚悟や道筋を示すことが求められる。

 2002年9月にあった初の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認め、謝罪。10月15日に5人が24年ぶりに帰国を果たした。04年5月に2回目の首脳会談が行われた。蓮池さんや曽我さんらの家族8人の帰国・来日が実現した。

 しかし、新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=や曽我さんの母ミヨシさん=失踪当時(46)=ら、残る政府認定拉致被害者12人は、今日に至るまで帰国を果たせていない。拉致の疑いが排除できない特定失踪者の問題も進展がない。

 石破茂首相を含め、歴代政権は拉致問題を「最重要課題」と...

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