JR米坂線の早期復旧の機運醸成に向けたコンサートに合わせて行われた署名活動=関川村上関
JR米坂線の早期復旧の機運醸成に向けたコンサートに合わせて行われた署名活動=関川村上関

 「米坂線でつながろう」-。一部区間で鉄路の不通が続くJR米坂線への思いを乗せた歌声や演奏が響いた。10月20日、新潟県関川村での「米坂線復旧絆イベント」と銘打ったライブコンサート。新潟、山形両県から集まったバンドや演奏家がステージに立った。

 米坂線は2022年8月の県北豪雨2022年8月3日から4日にかけて発生。新潟県によると住宅被害は村上市、関川村を中心に全壊8棟、半壊23棟、床上浸水889棟などの被害が出た。総降水量は村上市坂町で589ミリ(国土交通省観測)、関川村下関で569ミリ(気象庁観測)などと記録的な豪雨になった。人的被害は重傷者1人で、死者はいなかった。で被災し、坂町(村上市)-今泉(山形県長井市)で不通になった。現在はJRの代行バスが住民の足となっている。

 コンサートを主催したのは、山形県で米坂線の盛り上げや復旧に向けた署名などに取り組む団体。村上市の住民団体「米坂線早期復旧と地域活性化を考える会」も共催に名を連ね、イベント当日、会場を訪れた人たちに署名を呼びかけた。

 「考える会」会長の野田尚道さん(70)は「山形の意識は高い。新潟からも働きかけないと」と危機感を口にした。

▽主な利用者は高校生、「ないのはさみしい」

 被災前、新潟県内の米坂線の利用者は、主に関川村の高校生だった。多くは坂町駅で乗り換え、村上、新発田方面に向かった。被災前4カ月ほど米坂線を利用した3年生の男子高校生(18)は「(代行)バスは時間がかかる。米坂線がないのはさみしい」と振り返る。

 初めての経験となる選挙は...

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