親子が楽しく過ごした「わんぱくキッズサロン」。阿賀町は子育て支援を充実させるが、子どもの減少に歯止めがかからない=10月27日、阿賀町津川
親子が楽しく過ごした「わんぱくキッズサロン」。阿賀町は子育て支援を充実させるが、子どもの減少に歯止めがかからない=10月27日、阿賀町津川

 人口減少率が新潟県内市町村で最も高い阿賀町は、県人口のピークだった1997年に比べ、人口が半分ほどに減った。特に子どもの減少が著しく、町は子育て支援を充実させている。しかし、成果は一朝一夕に表れるものではなく、ジレンマも抱えている。

 町内で10月27日に開かれたハロウィーンイベント。未就学児を中心に子ども12人と保護者が集まり、会場を元気に駆け回っていた。町社会福祉協議会が月に1回開いている「わんぱくキッズサロン」だ。楽しそうに遊ぶ4歳の次女を連れた町内の男性(48)は「毎回参加している。子どもも楽しみにしている」と話す。

 地元津川で生まれ育った自身の小学生時代は、同学年に70人がおり自然にみんなが集まって遊んでいた。だが、「今は近所に同年代の子どもが少なく、子ども同士の交流があまりない。人間関係を学ぶためにも参加している」と語る。

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 阿賀町の住民基本台帳によると、町人口は東蒲4町村が合併した2005年3月末時点で1万5441人だったが、22年に1万人を割り、24年9月末には9107人になった。特に子どもの減少が著しい。05年に78人だった町内の出生数は、23年には18人にまで落ち込んだ。

 学校数も減少。04年に11校あった小学校は今では3校に。中学校は4校から2校に減った。鹿瀬地区は19年に学校がなくなった。

 町は子育てに関する施策を充実させてきた。妊娠から出産、育児まで切れ目のない支援を掲げ、18歳以下と妊産婦の医療費は全額を助成する。県内ではまだ例が少ない学校給食の無料化にも踏み切った。

 町は人口減を緩やかにするためにあらゆる施策を講じる構えだが...

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