
表彰式で悔しそうな表情を浮かべる新潟の選手=11月2日、国立競技場
11月2日のJリーグ・YBCルヴァン・カップ決勝で、J1アルビレックス新潟は、名古屋に敗れた。クラブ史上初のタイトルこそ逃したが、2度追い付いてPK戦までもつれたその死闘は、決勝戦にふさわしかった。準優勝は新潟に何をもたらしたのか。次こそ「てっぺん」をつかむべく、今大会を振り返る。(2回続きの2)
J1アルビレックス新潟はJリーグ加盟26年目で、初タイトル獲得へあと一歩と迫った。ボール保持から攻撃を仕掛ける新潟のスタイルは、2020年から2季指揮を執ったアルベル前監督、バトンを受けた松橋力蔵監督がブラッシュアップしてきた。誰が出場しても同じ戦い方ができる「クラブとしてのサッカー」は着実に成果を実らせている。
6万人超の大観衆が見守ったYBCルヴァン・カップ決勝。悔し涙を流した選手の中には、特別指定選手のDF稲村隼翔ら次代を担う若手の姿もあった。
東洋大在学中の稲村は決勝を含むルヴァン杯7試合に先発した。他にも3回戦の秋田戦の延長戦で、大卒ルーキーのMF奥村仁が1得点1アシストで勝利に貢献した。リーグ戦と平行する過密日程の中、勝ち進むには若手の存在が大きかった。2人の加入に携わった強化部の本間勲スカウト担当は「期待以上のものを出してくれている」と活躍を喜んだ。
▽「新潟のサッカー」認知度アップ
「チームに合うかが大事」と、チーム編成を統括する寺川能人強化部長は常にそう口にする。選手の獲得で主眼に置くのは、新潟のスタイルにフィットするどうか。ポジションごとに...
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