
【ワシントン共同】11月5日投開票された米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が女性初の大統領を目指した民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)に圧勝した。主要メディアが6日報じた。4年ぶりに返り咲く。トランプ氏は支持者を前に「米国を再び偉大な国にする」と勝利宣言した。「米国第一」を推進し、同盟軽視の姿勢で日本にも米軍駐留経費の負担増などを求める可能性がある。
事前の世論調査では接戦とみられていたが、バイデン政権下での物価高や不法移民流入に不満を募らせる有権者の間で支持を広げた。NBCテレビは、ハリス氏が11月6日、トランプ氏に電話し、敗北を認める予定だと伝えた。
トランプ氏は2025年1月20日に第47代大統領として就任式に臨む。任期は4年。副大統領にはJ・D・バンス上院議員(40)が就任する。大統領の返り咲きは19世紀のクリーブランド以来132年ぶりで、史上2人目。
トランプ氏は激戦7州のうち東部ペンシルベニア、中西部ウィスコンシンなど4州を制した。残る中西部ミシガンなど3州でも優勢で開票が続いた。私邸がある南部フロリダ州で6日未明、支持者を前に演説し「国境を修復し、この国の全てを直す」と述べ不法移民対策などに取り組むと主張した。
トランプ氏はロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援に消極的だ。イスラエル支持が鮮明で、緊迫する中東情勢にも影響を及ぼす。中国との関係は対中関税強化で厳しい局面が続きそうだ。
石破茂首相は11月6日、トランプ氏に祝意を示し「トランプ氏と連携を密にし、日米同盟、日米関係をさらなる高みに引き上げたい。今後、接点を早急に持つべく努力したい」と記者団に述べた。
大統領選は全50州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人の過半数270人の獲得を争う。日本時間6日午後11時時点でトランプ氏が27州を制し、276人を確保。ハリス氏は18州と首都で223人を獲得した。
トランプ氏は2021年の議会襲撃事件で起訴されても岩盤支持層は揺るがなかった。今年7月、選挙集会の際に暗殺未遂事件が起きたが、ひるまずに強い指導者像を打ち出し、民主党候補だったバイデン大統領(81)を撤退に追い込んだ。代わってハリス氏が出馬した。
◆インフレ、移民問題の不満反映(渡辺靖慶応大教授=現代米国論)
高止まりするインフレや不法移民の流入など...
























