キャバクラ店などの客引きが多い路上。通りには「客引きを許さないまち」のステッカーが貼られていた=11月6日、新潟市中央区東大通1
キャバクラ店などの客引きが多い路上。通りには「客引きを許さないまち」のステッカーが貼られていた=11月6日、新潟市中央区東大通1

 JR新潟駅周辺の繁華街で、新潟県条例が禁じているキャバクラ店などの客引き行為が増えている。新型コロナウイルスの5類移行や、2024年春の駅リニューアルに伴って周辺の人出が増え、こうした店が呼び込みを強化しているとみられる。県警は取り締まりに力を入れるものの、根絶にはほど遠い。「県都の玄関口」にうごめく客引きの実態を探った。(報道部・小出秀、永井竜生)

 10月中旬の平日夜、新潟市中央区東大通1のネオンきらめく路上。「もう1軒寄っていきませんか」「お探しは」。30人ほどの客引きが、道行く男性客に次々と声をかけていた。

 2008年に改正施行された県迷惑行為等防止条例は、客引きが通行の妨げになったり、不安感を与えたりするとして、キャバクラ店などの客引き行為を禁じ、50万円以下の罰金などの刑罰を設けている。

 なぜリスクを負ってまで行為を続けるのか。20代男性は「店がビルの上階にあるので、キャッチ(客引き)をしないと店が成り立たない。客を紹介したら使った金額の10%のバックがある」と明かす。キャバクラ店の20代男性店長は「この辺では客引きが命綱になっている店が多い」とし、「客の奪い合い。他の店がやっている以上はやめられない」と、負の連鎖を語る。

 県警生活保安課によると、新潟駅周辺の客引きは感染禍の2020年以降に大幅に減ったが、新型ウイルスの感染症法上の扱いが5類に移行した23年に再び増加。「繁華街の人出に合わせて客引き行為も活発になってきた」とみている。

 地元の飲食店関係者らでつくる新潟駅前地区セーフティゾーン活動委員会の髙橋淑浩会長(72)は、新潟駅のリニューアルも影響していると分析する。

 「これまでにないくらい人が増えた。店はウイルス禍の売り上げ減を補おうと必死なのだろう」と指摘。「駅前を訪れた人に、もう二度と来たくないと思われてはいけない」と、街のイメージダウンに危機感が募る。

 生活保安課によると、...

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