
新潟県と新潟市は11月8日、水俣病熊本県で1956年に公式確認された病気で、その後、新潟県の阿賀野川流域でも集団発生した。毒性の強いメチル水銀を含む工場排水で汚染された魚介類を食べた人やその胎児が水銀中毒を発症し、亡くなった人も多い。症状は感覚障害や運動失調、視野狭窄(きょうさく)など。外見的な異常は現れずとも、手足のしびれや頭痛などに悩まされ続ける人もいる。の患者認定を判断する県・新潟市公害健康被害認定審査会公害健康被害補償法(公健法)に基づき、新潟水俣病の患者かどうかを判断するため、県と新潟市が年に数回実施。医師や弁護士らで構成し、メチル水銀に汚染された魚を食べた量や症状などから認定の可否を決める。県によると、これまでに716人を認定。2021年2月以来、認定者は出ていない。(会長・小野寺理新潟大脳研究所教授)に申請していた17人のうち、9人を棄却、8人を保留とし、新たな認定者はいなかったと発表した。
県によると、棄却されたのは県内外の50〜80代の男女。いずれも審査会の答申通りの決定で、個別の判断理由は明らかにしていない。
花角英世知事は「難しい判断をしなければならない事例が増えてきている中、丁寧な審査が行われたものと受け止めている」、新潟市の中原八一市長は「引き続き迅速かつ丁寧な審査を行っていただくようお願いしていく」などと、それぞれコメントを発表した。
今回で認定者は71...
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