
柔道男子90キロ級・向翔一郎
心に刻んだ恩師の言葉 「俺は俺」信じた道進む
緑が濃さを増した田んぼが広がり、遠く弥彦山と角田山を望む新潟市南区平潟新田。蒲原平野のまっただ中に柔道男子90キロ級代表の向翔一郎(24)=ALSOK・白根小出=が通った白根柔道連盟鳳雛(ほうすう)塾の道場がある。
県道沿いにある木造2階建ての古い建物。普通の民家と見た目は変わらない。ただ、入り口の看板に記された「鳳雛塾」の堂々たる文字が、多くの選手を輩出してきた名門の風格を醸し出している。
中には向が小学校の6年間、汗と涙を流しながら通い続けた広さ37畳の稽古場がある。
今月中旬、保育園児から中学生まで約20人が、威勢のいい掛け声を発しながら稽古に励んでいた。星野慈元(じげん)さん(14)...
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