
J1で激しい戦いを繰り広げているアルビレックス新潟。今季も終盤戦に入り、ラストスパートです。このウェブ限定記事アルビPreview(プレビュー)では、そんなアルビの応援に一層力を入れようと、データを見ながら、初心者にもわかりやすく、次の一戦に向けた見どころや注目選手を紹介します。対戦相手の情報などを頭に入れ、試合をより深く、楽しみながら応援しましょう!
(※データはリーグ公認の競技データ「J STATs」から。それ以外の話はわりと主観が入ります)
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藤原奏哉の1点の価値
前節の第36節柏戦から3週間が空きました。どんよりした天気と同じように、どこか重い空気を感じ続けているのは私だけではないでしょう。新潟は一つも気を緩められないJ1残留争いのまっただ中です。そんな中で、鈴木孝司と島田譲の契約満了が発表されました。重苦しさに加え、寂しさも重なってしまいました。鈴木は得点だけでなく、前線で体を張ってボールを収めたり、パスワークに絡んだり、チームに貢献できるストライカー。島田は中盤のバランスを取り、正確なパスでリズムを作ります。J2優勝やJ1昇格への貢献だけでなく、彼らなくして今の新潟のサッカーはないと思います。功労者たちとの別れに、せめて最後は残留を決め、明るく締めくくりたいと願うばかりです。
柏戦では何とか藤原奏哉が土壇場で同点弾を決めてくれました。その後の試合で降格圏の磐田が敗れたことも大きかったですが、「あの藤原の1点がなければ危なかった…」とシーズン後に言われそうな予感がする重要なゴール。むしろ、そんな形でも振り返ることができるように、あの試合の得点を、勝ち点1を、残り2試合で決して無駄にしてはいけません。
藤原の得点は小見洋太のアシストとともに下のランクに刻まれました。藤原は新潟で2位タイの立派な得点源ですね。今季はボランチが落ちてサイドバックが高い位置を取るケースも多く、武器になっています。


チームデータを見ると、大量失点が続いていた守備だけでなく、攻撃の数字も決して良くはないですよね…。J1で16位という順位らしい数字を、多くの項目が表しています。あと、久しぶりにボール保持率が1位から2位に落ちています。ちなみに1位となったのは横浜Mです。
保持率に関しては単純に高ければいいものでもないですから、気にする必要はないでしょう。ただ「どちらが持つか」「持っているのか、持たされているのか」は試合の主導権争いを見る重要なポイントで、G大阪戦では見どころの一つになるでしょう。
大丈夫そうに見えますか?
G大阪戦の話の前に、すでに何度か記事に書き、各媒体でも紹介されていますが、残留争いの現状を再確認しましょう。「十分に分かっているよ」という方は飛ばしてください。

鳥栖は降格決定済み。札幌とは残り2試合で勝ち点7差なので、新潟を上回る可能性はありません(ここにも藤原の1点が生きてますね)。ということで、基本的に磐田が2連勝、新潟が2連敗しない限り、新潟の残留は決定します。11月30日のホーム最終戦、G大阪戦で残留を決める条件はこうなります。

同じ30日午後2時から、磐田は8位のFC東京とホームで戦います。ただ、そっちの試合がどうなるかなんて、気にしても仕方がないですよね。新潟の最終戦は、過去のJ1で1回しか勝っていない浦和が相手ですが、それもG大阪戦の後に考えましょう。選手たちは目の前の試合だけに集中するはずです。「目の前の敵が最強の敵」と、何度も聞いてきました。今年最後のホーム戦というだけでも勝たなければいけない理由は十分。今季のチームの集大成を見せる場です。
勝って決めましょう。最初から引き分け狙いとか、他会場の結果を見ながらとか、そんな器用なことができるチームなら、もっと上の順位にいるはずです。90分間、目の前の試合に集中し続けるだけです。
大黒柱が離脱
ようやくですが、G大阪戦の話に行きます。


まず触れなければいけないのは...