
男子準々決勝 福岡第一-開志国際 第4クオーター、ドリブル突破を図る開志国際の平良宗龍=東京体育館
[バスケ・ウインターカップ、12月27日 開志国際63-70福岡第一]2年前、先輩に見せてもらった「優勝の景色」へチームを導けなかった。「やっぱり日本一は簡単じゃないんだな」。開志国際のエースでダブル主将の一人、平良宗龍はそう悔しさをにじませた。
「自分がやらないと、という気持ちが空回りした」という序盤。一度ベンチに下がって気持ちを整理してからは躍動した。内外から次々と加点し、両軍最多の21得点。だが、逆転を許した最終盤は厳しいマークに遭い、得点が止まった。
沖縄県出身。チームが初優勝した2大会前は、1年生ながら決勝で4連続3点シュートを決め、一躍注目を浴びた。だが、今春は得意の外角シュートが入らないスランプに。解消できたのは父の一言だった。「3点を狙うだけじゃなく、いろんなことをしながら点を取ってみればいい」
得意の3点シュートのほか、この日見せたドライブからのジャンプシュートなどは、その意識の表れ。2年前とは違う自分を集大成の場で見せた。
優勝には届かなかったが、自らの成長は確かに感じられたこの3年。「悔いがないと言えばうそになる。けど、最後は楽しかった」。涙はなく、高校最後の大舞台を後にした。
(運動部・野上貴)

◆勝負どころで気持ちの差、最終盤でゴール決めきれず
今年も4強に進むことはかなわな...
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