
富中産業が販売する「いぐさの棺」。青海(上段)と城山(中段)は染めの技術が用いられている=村上市南町2
畳製造販売の富中産業(新潟県村上市南町2)は葬送用の「いぐさの棺(ひつぎ)」の製造、販売を始めた。富中産業は、ひつぎに入った遺体の下に敷く専用畳「儀典畳」の製造販売を手がける。葬祭用の新たな製品として自社技術を生かして開発。深澤德秋(のりあき)社長は「慣れ親しんだ和室のような雰囲気で故人を送れる」と話している。
畳業界は人口減に伴う新築着工戸数の減少や住宅の洋室化により、市場が縮小している。富中産業は1995年から製造を始めた儀典畳が売り上げの9割を占める。富中産業の主力商品となっており、遺体安置用冷蔵庫の販売代理店となるなど葬祭部門に注力している。
いぐさの棺は儀典畳の販売が今年30年目を...
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