会見に臨む新加入の4選手ら。右から横山笑愛、藤原凛音、橋川和晃監督、宮本妃菜里、新堀華波
会見に臨む新加入の4選手ら。右から横山笑愛、藤原凛音、橋川和晃監督、宮本妃菜里、新堀華波

 女子サッカーWEリーグ日本女子サッカー最高峰のプロリーグとして2021年からスタート。アマチュア中心の「なでしこリーグ」の上部カテゴリー。秋春制を採用し、昇降格の制度はない。2023~24シーズンから現行の12チーム参加となった。リーグ戦のほかにリーグカップがあり、皇后杯を含めて3大タイトルといわれる。のアルビレックス新潟レディースは2月5日、新加入選手発表会見を開いた。WEリーグは「秋春制」を採用しているため、現在の冬季中断期間に新卒選手らがチームに加わるケースが多い。今回新潟Lには4人の心強い味方が加入する。
 先月の皇后杯決勝でタイトルへあと一歩まで迫った記憶も新しく、3月に再開するリーグ戦でも現在の5位から頂点を狙う新潟L。小川貴史GMは「堅守柔攻の柔攻の部分に比重を置いた」と、課題でもある攻撃面を重視した補強方針を説明。会見のほぼ全内容を伝え、各選手の意気込みと特長などを紹介する。

以下、新加入会見ほぼ全内容

※会見内の時系列とは異なり、質疑の回答などは選手ごとに並べ替えています。新加入各選手の紹介や質疑 → 小川貴史GMの補強方針説明 → 橋川和晃監督の後半戦意気込みと質疑と続きます。

15 FW 新堀 華波 SHINBORI Kanami

2000年3月10日生まれ。身長165cm。徳島県出身。鳴門渦潮高からASハリマアルビオンを経て、スフィーダ世田谷FC(なでしこ1部)から加入。なでしこ1部で通算82試合35得点。2024年は22試合で9得点を挙げ、ベストイレブンに選出。

小川GMによる選手紹介:新堀選手は得点のところももちろんですが、攻撃の起点となる動き、ポストプレーもそうですし、背後で受ける動きもそうですし、攻撃に関わるかなり幅広い動きができる選手。攻撃だけでなく、前線からの守備も、かなりできる選手なのでトータルで、すごく大きな期待をしています。

◆覚悟を持ってトップリーグに挑む万能ストライカー

スフィーダ世田谷から来ました背番号15番FWの新堀華波です。チームの目標であるタイトルに向けて少しでも力になれるように、全力で頑張りたいと思います。

(目標を色紙に書いて発表)

目標は「点を取る!!」ことです。ポジションがフォワードなので、自分が点を取ることが出きればタイトルにも近づけるし、そこに向けて何が出来るかと考えたときに、点を取ることだと思い、目標にしました。

(新潟やチームの印象は)

新潟の印象は雪がすごい降るというところです。アルビレックス新潟の印象はリーグが違かったので、あまり対戦したことはないんですけど、今のチームを見て、代表や世界で戦った選手が多いな、というのはあります。

(トップリーグに挑む心境は)

前所属のスフィーダでは働いて、その後にサッカーしてっていうのがだいたいなでしこリーグの形っていうか、そういうチームが多いと思うんですけど、WEリーグはやっぱりサッカーだけで生活をしていくっていうのが軸になっていると思う。サッカーに対する気持ちはなでしこリーグも強いですし、チームに恵まれていたので、環境を変えるっていうことがすごい大きなことで覚悟が必要でした。日本のトップリーグでサッカーをするっていうのが想像ではいろいろと考えていたんですけど、実際何日か練習をやったんですけど、全然違うな、というのは正直な感想です。

(数字的な目標などがあれば)

目標の数字は正直、決めていなかったんですけど、残り半分試合があるので2点は取りたいなと思います。

(自分の特長をどうチームで生かすか)

自分の持ち味は背後に抜け出すことだと思うので、そういう面では動き出しとかを見て出してくれる選手がたくさんいるので、生かしていきたいなと思います。

(新潟で成長したい部分と、将来的な目標は)

やっぱりサッカーのレベルがすごい高いので、サッカー選手として自分の持ち味をたくさん増やしたいなと思います。将来的には代表だったり世界で戦ってきた選手がすべていっぱいいるので、自分も世界で戦えるレベルになれるように、これから成長していきたいなというふうに思います。

(対戦が楽しみな選手は)

誰と対峙したいとかはまだあまり分からないので、特に誰というのはないんですけど、前所属で同じチームだった大竹麻友選手(ノジマ相模原)と試合するのがすごい楽しみです。

(好きな選手や憧れの選手は)

好きな選手とか憧れの選手っていうのはパッと出てこないんですけど、チームで同じ徳島出身の道上彩花選手がいるのでプレーで色々学びたいなと思います。

24 MF 宮本 妃菜里 MIYAMOTO Hinari

2002年8月24日生まれ。身長158cm。大阪府出身。東洋大学から加入。大学ではインカレ初優勝に貢献。2024年は10番を背負って関東大学リーグで優勝し、ベストイレブンに選出。同じ大学で男子のDF稲村隼翔と同時に新潟入り。

小川GMによる選手紹介:宮本選手は自分で打開するよりは、味方をうまく使って相手の嫌なところへパスを送るだとか、相手の嫌なところに入って行って シュート打つとか、そういったところが特徴。痒いところに手が届くというか、今現在でうちにはいないタイプの選手かなと思っていて、ひと味違った攻撃の色合いを出せるんじゃないかなと期待しています。

◆本間至恩を参考に?相手に脅威を与えるチャンスメイカー

東洋大学から来ました背番号24番、MFの宮本妃菜里です。チームのタイトルに貢献できるように精一杯頑張ります。よろしくお願いします。

(目標を色紙に書いて発表)

「ゴールを生み出す!!」って書いたんですけど、アシストのところだったり、得点を取るところが自分の特長だと思っているので、そういうところを新潟でプレーして発揮できればと思っています。

(新潟やチームの印象は)

やっぱ雪が本当にすごいなと思いました。アルビレックス新潟レディースは様々な選手がいて、大学では感じられなかったような高いレベルでプレーしている人が多くて、その中でやっていくのがすごく楽しみだなという風に感じました。

(数字的な目標などがあれば)

目標としては1試合1得点以上。勝つには相手より1点多く取ればいいので、相手よりも1点でも多く取るというのが目標です。

(自分の特長をどうチームで生かすか)

上手い選手が多いので、自分の特徴である3人目の関わりとか、ラストパスのところで一番輝けるのではないかと思います。

(新潟で成長したい部分と、将来的な目標は)

将来的な大きな目標というのはまだないんですけど、今は新潟でもタイトルを取ることだけを考えて、自分が中心となってタイトルに貢献できればいいなと思っています。

(対戦が楽しみな選手は)

対戦したい選手は大宮の落合依和選手です。東洋大のチームメイトで落合選手がサイドバックをやっていたこともあって、マッチアップすることが多くて、お互い特徴を分かっている中でどういう勝負ができるのか、というのがとても楽しみです。

(本間至恩選手=J1浦和・新潟市東区出身=が好きな選手と聞いたが)

ドリブルの仕方みたいなプレースタイルがすごく好きで、小柄ながら相手の間をスルスルと抜けていくのがすごくうまくて、自分もそういうドリブルができたらと思っていたので、いつも参考にしていました。

27 FW 藤原 凛音 FUJIHARA Rion

2006年7月16日生まれ。身長162cm。愛知県出身。Uー15日本代表の経験もある。藤枝順心高校(静岡)から加入。全日本高校選手権やインターハイの連覇に貢献。ウイングなどを務め、今冬の選手権では6ゴールと活躍した。

小川GMによる選手紹介:藤原選手は高校卒業しての加入になりますが6月に、練習参加きた際に紅白戦をやったんですが、その時に1得点しました。今シーズンここまで、練習参加の選手かなり来ましたが、あの1日2日の中でゲームをやって、どんな形であれ、点を取ったっていうのはすごく大きいなっていうふうに感じていて。 勝負強さ、度胸みたいなところが彼女の特徴かなと感じています。

◆名門で成長、度胸満点のサイドアタッカー

背番号27番FW、藤枝順心高校から来ました藤原凛音です。高校のときとはレベルの違う舞台でしっかりタイトルに向けて勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

(目標を色紙に書いて発表)

私は「新潟でタイトル」としました。皇后杯を見てすごく悔しかったので、WEリーグの舞台でタイトルを目指して、チームの一員として勝利に貢献したいです。

(新潟やチームの印象は)

新潟の印象は雪がすごい、寒いことで、アルビレックス新潟の印象はテレビで見てた選手がたくさんいるっていうのと、団結力、チーム力っていうところが、サポーターさんも含めてすごいなという印象があります。

(数字的な目標などがあれば)

試合に絡むのはそうなんですけど、やっぱりフォワードなので、出た試合では絶対に点を決めるとか、1アシストは絶対にしたいです。

(自分の特長をどうチームで生かすか)

私の特徴は、スルーパスを受けてゴールに行くこととか、チャンスメイクする、そしてゴールまで行くことなので、そういうところを活かしていきたいです。

(新潟で成長したい部分と、将来的な目標は)

私の将来的な目標は「なでしこジャパン」に入って世界一を取ることなので、そこから逆算して、近い目標で言うと、Uー20のワールドカップに出場したいというのがあって。アルビレックス新潟でしっかり1日1日の練習を大切にして、まずは試合に出るところからしっかり頑張っていきたいと思います。

(選手権の3連覇に貢献。大会6ゴールだが、得意な得点パターンは)

藤枝順心ではどこのポジションもできないと試合に出られなかったので、右も左も左右差なくできるようになったっていうのは3年間の成長だと思います。選手権で6ゴール取れたのは、味方に生かしてもらったのもありますし、しっかり自分の得意な形に持っていけた、プレーの幅が多かったっていうのが6ゴールにつながったと思います。

(勝負したいポジション)

サイドで勝負したいと思っています。

(対戦が楽しみな選手は)

WEリーグでは試合に出ていないので、高校生の時にUー18ファイナルズで日テレさん(東京Vメニーナ)に2年連続で負けているので、誰と対峙したいとかはないんですけど、個人的には日テレ東京Vに勝ちたい気持ちがあります。

(好きな選手や憧れの選手は)

憧れの選手はクロエ・ケリー選手(イングランド代表)で、好きな選手というか、お手本にしてるのは相手チームなんですけど、INAC神戸の辻澤亜唯選手(藤枝順心高校出身)を高校の時からお手本にしています。

35 DF 横山 笑愛 YOKOYAMA Ema

新潟LUー18から昇格。2006年10月10日生まれ。身長180cm。山形県出身。育成組織トップ可選手として、すでに今季リーグ戦5試合に出場している左利きのセンターバック。皇后杯でも活躍したが、決勝のPK戦では悔し涙を流した。

小川GMによる選手紹介:横山選手は、唯一ディフェンスの選手ですけど、背も高いですし、皆さんは守備の部分がかなり特徴かなって、もしかしたら感じておられる方いらっしゃるかと思いますが、左利きで非常にビルドアップの能力とか、ロングキックとか、攻撃の起点となるようなプレーを特徴として持っている選手。この辺を見ていただければなと思っております。

◆皇后杯の悔しさも成長の糧に…期待の大型センターバック

新潟LUー18から加入しました、35番DFの横山笑愛です。これからもっとたくさんチームメイトのみんなと、喜びを分かち合えるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

(目標を色紙に書いて発表)

私は「チームの軸になる」と書きました。今の自分には大きすぎる目標ですが、後にチームの軸のような選手になりたいと思います。

(新潟やチームの印象は)

新潟の印象はおいしいものがたくさんあることと、まち全体がサッカーが大好きなことが伝わってきて、アルビのことを応援しているな、という印象があります。チームの印象は、練習や試合から伝わるプロの厳しさや、チームメイトみんなが優しくて温かい雰囲気がある印象です。

(数字的な目標などがあれば)

もっと試合に絡むのと、無失点です。

(自分の特長をどうチームで生かすか)

私の特徴は、見れば分かる通りのこの大きなサイズと、左足の前線へのロングフィールドと守備での対人の強さなので、アルビの堅守というところに貢献したり、攻撃面でもチャンスメイクしたいなと思います。

(皇后杯の経験を振り返って)

素直にチームに迷惑をかけてしまったという思いがあるんですけど、この経験をさせてもらってよかったと思えるように、これからまた頑張りたいと思います。

(新潟で成長したい部分と、将来的な目標は)

まず、普段の練習から自分の苦手なところや課題を意識づけてやっていって、試合にもたくさん出れるようになって、将来的には日本代表に選ばれるように頑張りたいと思います。

(対戦が楽しみな選手は)

三菱重工浦和の高橋はな選手です。一度対戦した時に空中戦はもちろんですけど、対人で一回も勝てなかったので今度対戦させていただいた時は勝てるように頑張りたいです。

(好きな選手や憧れの選手は)

私はいつも一緒にプレーしているアルビのセンターバック選手です。練習中からいろんなことを教えてもらって学ばせてもらっています。

目標を書いた色紙を持つ新加入4選手。右から横山笑愛、藤原凛音、宮本妃菜里、新堀華波

◆小川貴史GMの補強方針説明

 この冬の新加入4名の意図ですとか、目的ですとかを私の方からさせていただきます。橋川監督に就任していただいて、2シーズン目に入っております。ここまで「堅守柔攻」という、しっかり守って、柔らかく攻めましょうというスローガンのもと、ここまでチーム作りを進めてきております。

 先の皇后杯でもそうですし、ここまでのリーグ戦もそうですが、守備の部分では...

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