
「にゃんがたセンタークリニック」の活動で猫たちを手術する獣医師=新潟市中央区
猫の多頭飼育崩壊の問題に歯止めをかけようと、新潟県動物愛護協会が新潟市動物愛護センター(新潟市中央区)の手術室を使って運営している猫の不妊手術専門病院「にゃんがたセンタークリニック」が、開設からまもなく半年を迎える。手術を受けた猫は2月19日時点で計224匹。官民共同で運営する猫の不妊手術専門病院は全国初で、このほど日本獣医師会の学会で最高賞を受賞した。関係者は「取り組みが全国に広がり、不幸な命が一つでも少なくなってほしい」と話している。
2月初旬、新潟市動物愛護センターの手術室で、2人の獣医師が、下越のある地域から運ばれてきた猫たちを手術していた。飼い主は1人暮らしの50代男性で、長年十数匹の猫と共に暮らしてきたという。数年前から家を出入りする猫の数が急激に増え、30匹台になったところで「手に負えなくなった」と自ら相談先に助けを求めた。
にゃんがたセンタークリニックは、県動物愛護協会がクラウドファンディングで集めた資金で2024年9月に運用を開始。主に県内で多頭飼育崩壊状態にあるか、今後その恐れがある飼育先の猫が主な対象だ。
有志の獣医師約20人がシフトを組み、週1日、5〜15匹ほどを手術。最大で1日20匹の手術に対応できる体制を整える。運営には長年、猫の問題に取り組んできた動物愛護団体「新潟動物ネットワーク(NDN)」も関わり、...
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