
北越ケーズの県内店舗で初の女性店長となった伊藤千尋さん=新潟市中央区
3月8日の国際女性デーに合わせて公表された「都道府県版ジェンダーギャップ指数」で、新潟県企業の女性管理職割合は全国ワーストの12・9%にとどまり、1位の徳島県とは10・6ポイントもの差が付いた。女性の活躍を促そうと踏み出した県内企業がある一方で、女性がリーダーシップを発揮できない状況にもどかしさを感じる声も上がる。専門家は「女性を含む多様な人が活躍できる組織を」と呼びかける。
新潟市中央区にあるケーズデンキ新潟南店の店長、伊藤千尋さん(42)は、新潟県など4県に52店舗を展開する北越ケーズで本県初の女性店長だ。パートスタッフとして2007年入社。2人の子育てと両立させながら家電販売経験を積み、パートより業務の幅が広い「キャリア社員」を経て2024年10月、正社員に。1月から店長を任された。
スタッフ24人の育成やシフト管理、来店客への対応にも力を入れる。持ち味のコミュニケーション力の高さで「『お店の雰囲気も変わってきた』と言われてうれしい」とほほ笑む。
これまで同社では転勤が正社員登用の壁になっていた。キャリア社員が正社員になるには、県内外への転勤がある「正社員総合職」に進むしかなかったためだ。転居が必要な転勤がない「正社員一般職」には、正社員総合職からしかなれなかった。
しかし少子化で人材確保が厳しさを増す中、同社は方針を転換。子育てを中心的に担っている女性など転勤が難しいキャリア社員を、正社員一般職に登用できるよう2024年春、制度を変えた。「女性の活躍の場を広げ、選ばれる会社にならなければ」...
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