佐渡市でミニシアター「ガシマシネマ」を営む堀田弥生(49)は2021年11月、交流サイト(SNS)を見て驚いた。「佐渡が『聖地』になっている。全然知らなかった」
その作品は、21年10月に全国約250館で封切られた劇場版アニメーション「アイの歌声を聴かせて」(アイ歌)。公開から間もなく、聖地を特定するファンがSNS上に出現し、佐渡だと書き込んだのだ。
アイ歌は架空都市が舞台だが、海岸線や田園などは佐渡がモデルになった。聖地巡礼のために来島する人も多く、公開から約半年後には、両津港にある観光案内所にファン手作りの「巡礼ノート」が置かれた。
ガシマシネマは約20席の佐渡唯一の映画館。堀田はSNSでの「このエモい映画館に上映してもらいたい」という要望を受け、22年3月にアイ歌を初上映した。客席は平日もほぼ埋まり、立ち見が出ることもあった。堀田は...
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