
出雲崎町の海岸地区。能登半島地震での課題を踏まえ、町が津波避難の計画を策定した=出雲崎町
新潟県出雲崎町は2024年1月1日に発生した能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。で、町内の海岸地区の津波避難に混乱が生じたことを踏まえ、住民の避難ルートや避難手段などを定めた「津波避難緊急支援施設基本計画」を初めて策定した。地震の発生から高台の避難場所に到着するまでの時間を13分と想定。徒歩での移動に時間がかかる地区については車の使用を可能にする。車の避難では、渋滞を防ぐため、主に三つの避難ルートを定めた。
出雲崎町の津波避難の方針は、原則徒歩で高台の「町指定緊急避難場所」に避難し、災害状況が一段落したら避難生活を送る「町指定避難所」に移動することになっている。
海岸地区の住民は能登半島地震の時、津波警報の発令を受け、高台の寺や神社などの緊急避難場所に身を寄せた。ただ、車で内陸部にある避難所を直接目指した町民も多く、一部の交差点では渋滞が発生。町民からは、要配慮者や高齢者が徒歩で避難することの難しさを指摘する声も上がった。
このため町は2024年度一般会計予算に計画策定費を計上し、内容を検討してきた。
計画では、徒歩で13分以内に高台を目指してもらうことを原則とし、地区ごとに緊急避難場所を設定。13分以内の徒歩避難が難しい地区は...
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