
石破茂首相の商品券配布問題を報じた新潟日報
1988年、当時の竹下登内閣をリクルート事件が直撃した。危機感を抱いた1年生議員10人が自民党の「政治とカネ」をめぐる問題の抜本的改革を訴えて「ユートピア政治研究会」を発足させた。座長格の武村正義氏(後の新党さきがけ代表)を中心に「平成の政治改革」の起爆剤となり政治の流れは激変した。「永田町の下級武士たちの反乱」と言われた。
そこに名を連ねていたのが石破茂首相だった。他に鳩山由紀夫元首相もいたが、今も現職の国会議員は首相と現自民党政治改革本部長の渡海紀三朗氏の2人を残すだけ。このため首相は「政治とカネ」をめぐる問題とは無縁の政治家というイメージが定着していた。
その首相が、首相公邸で開いた自民党所属の1年生議員との懇談に際して「土産代わり」(首相)に1人10万円の商品券を配ったことが発覚した。首相のイメージとのギャップがあまりに大きかった。自民党長老は「石破さんは慣れないことを...
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