1993年8月7日の新潟日報
1993年8月7日の新潟日報

 出すのか出さないのかで堂々巡りが続いていた内閣不信任案をめぐる攻防は6月19日夕、立憲民主党の野田佳彦代表が「政治空白の回避」を理由に提出を見送り、通常国会はあっさりと幕を下ろした。それに比べて32年前、1993(平成5)年の同じ6月19日は戦後政治を大転換させた歴史的な日だった。当時の宮澤喜一内閣の不信任案が可決され、衆院総選挙に突入して自民党が初めて野党に転落したからだ。

 その攻防劇の主役は元自民党幹事長の小沢一郎氏と現職幹事長の梶山静六氏。いわゆる「一・六戦争」が衆院本会議場で展開された。いずれも69(昭和44)年12月の衆院選挙で初当選した面々である。この総選挙の指揮を執ったのが田中角栄幹事長(当時)。つまり93年政変は...

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