暖流と寒流がぶつかる新潟県佐渡市の海は、四季を通じてさまざまな生物を観察できる国内屈指のダイビングスポットです。語り尽くせぬ佐渡の海の魅力を、写真と動画で紹介します!=報道部・山田史織(写真・動画の撮影も)=

 陸上には春がやって来た。海中の季節は陸より数カ月遅れといわれる。水温はまだ10度前後で、海藻は成長し始めているが、泳ぎ回るような魚は少ない。静かに春を待つ生物たちを観察しに北小浦の海に潜った。

海の中でも春が近づいており、海藻が生い茂り始めている。今季はワカメやナガモが豊作だという。海中で長く伸びたナガモを見つけた=佐渡市北小浦沖

 3、4月は植物プランクトンが大量発生する「春濁り」と呼ばれる現象が起こり、普段より透明度が悪くなる。この時季、ダイバーを魅了するのがウミウシだ。多くは1円玉より小さいため、濁った海で探すのは至難の業。それでも、...

残り1058文字(全文:1366文字)